• MQL4/MQL5共通EAライブラリ(171202版)

    新メタトレ実践本用のMQL4/MQL5共通EAライブラリを更新しました。ライブラリファイルは、以下からダウンロードできます。

    今回変更したのは、MQL5でMQL4と同じ形式でテクニカル指標関数を使えるようにする LibMQL4.mqh です。オーダー系のライブラリは修正していません。

    MQL4からMQL5への対応は、ちょっと無理やりなところがあるので、MQL5で動かす際に不具合が生じることがあります。そのため、各テクニカル指標関数でエラーが生じたときに、エラーメッセージを出力させるようにしました。

    今回のライブラリの改訂で、カスタム指標プログラムをMQL4とMQL5で共通化させることができました。ただし、テクニカル指標関数を使った簡単なものだけです。

    以下のプログラムは、ボリンジャーバンドの関数を使ったカスタム指標プログラムの一例です。一応、このソースファイルのまま拡張子をmq4とmq5にすることで、それぞれMT4、MT5でコンパイル・実行させることができます。

    kindle本の新MT4入門書で解説したカスタム指標プログラムと書き方が異なるところを説明しておきます。

    MQL4では、指標の種類の指定はラインの場合不要でしたが、MQL5では必須となるので追加してあります。MQL4の過去のアップデートでも、指標の種類の指定をしないと表示が不安定になることがあったので、入れておいた方がいいでしょう。

    LibMQL4.mqh はMQL5の場合のみ必要となります。MQL4でそのファイルがなくてもエラーが出ないように、MQL5の場合のみ LibMQL4.mqh をインクルードするようにしています。

    指標バッファ用の配列を時系列配列に設定する命令で、MQL5では必須です。MQL4の場合、デフォルトで時系列配列になっているので、この行は不要です。

    指標を表示する範囲のための変数で、チャートの書き始めの部分でBandsPeriodだけずらしてあります。こうしておかないと、MQL5では何も表示されないことがあります。MQL4では、この行はなくても構いません。

    MQL5では、指標ハンドルを作成するコードと、指標を配列にコピーするコードを別タイミングで行うことを想定しているようですが、本ライブラリでは同じタイミングで行っています。そのためか、プログラムをチャートに挿入した直後で指標値が計算されないことがあります。今回のライブラリの改訂で、指標値が計算されていない場合、EMPTY_VALUEという値を返すようにしました。このエラーを無視してしまうと、最新のバーにしか指標が表示されないことがあるので、指標値が計算できていない場合、指標を表示できていないということで、0を返すようにしています。MQL4では不要です。

    とりあえず、単純にテクニカル指標関数のみを使うカスタム指標プログラムは、以上の点に注意することで、MQL4/MQL5でコードを共通にすることができます。

    あと、よくある書き方として、表示用の指標バッファとは別に計算用の指標バッファを使うケースがあります。ただ、この場合、MQL4とMQL5でコードの書き方が決定的に違うので、今のところコード共通化の対応はできません。ご了承ください。


    *追記*(2017-12-04)
    48行目で、limitをlimitとrates_total-BandsPeriodの小さい方に設定し直す命令は、プログラムをチャートに挿入した直後(limit=rates_totalになっているとき)にチャートの開始位置をずらすためのものなので、次のように書いてもOKです。

    厳密には、チャートの最初からBandsPeriod-1だけずらせばよいので、

    あるいは、

    でもOKです。

     



  • MQL4/MQL5共通EAライブラリ(171116版)

    新メタトレ実践本用のMQL4/MQL5共通EAライブラリを更新しました。

    iCustom()を使ったEAのプログラムがMT4とMT5で共通化できるようになりました。ライブラリファイルは、以下からダウンロードできます。

    使い方ですが、例えば、MT4、MT5にそれぞれ「HLBand」というカスタム指標が入っているとします。一定期間の高値と安値を結んだよくある指標です。簡単のため、期間をパラメータとし、モードが0で高値ライン、モードが1で安値ラインを返すものとします。

    長期のHLバンドをブレイクしたときにエントリー、短期のHLバンドをブレイクしたときにエグジットという典型的なブレイクアウトシステムのEAプログラムは、このライブラリを使うと次のように書けます。

    ここでiCustom()は、MQL4標準の書式で呼び出しています。このソースファイルが修正なしにMT5でコンパイルでき、EAとして実行できるようになったというのが、今回のライブラリの更新点です。

    ただiCustom()は、MQL5にも同じ関数があり、それぞれ可変長の引数を取るので、そのままオーバーライドすることができませんでした。ライブラリを見てもらうとわかると思いますが、iCustom()をiMyCustom()に読み替えて、iMyCustom()をパラメータが0個から8個まで個別に作成しています。

    なので、これを使うためには、以下の制約があります。

    1. カスタム指標のパラメータの数が8個まで
    2. カスタム指標のパラメータがint,doubleの数値のみ

    その他の注意事項は、過去の記事をご参照ください。

     



  • メタトレ二刀流本のサンプルプログラムをMT5ヘッジ口座で動かす

    最近、MT5の利用者も増えてきたのでしょうか、MQL5プログラミングに関するご質問をいただくようになりました。

    多くは、拙著の「FXメタトレーダー4&5一挙両得プログラミング」(メタトレ二刀流本)の読者様からのものです。そのなかで、サンプルプログラムをMT5のヘッジ口座で利用したいというご要望がいくつかありました。

    しかし、残念ながらメタトレ二刀流本は初版のままで、改変のタイミングがありません。

    MT5のヘッジ口座用のライブラリで、当方が現在メンテしているのは、以下の記事で紹介した「新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング」(新メタトレ実践本)用のもののみです。

    MT4とMT5で同じソースプログラムを使ってEAが作れるということから、基本的にこのライブラリをお勧めしています。ただ、MT5のプログラミングに関する出版物がほとんどない状態なので、メタトレ二刀流本をご参考にされている方も少なからずいらっしゃいます。

    そこで本記事では、メタトレ二刀流本のサンプルプログラムを多少修正して、新メタトレ実践本のライブラリが利用できるようにする方法をご紹介します。

    対応するサンプルプログラムは以下の12個です。

    P.264 リスト3.6 MA2Cross1_EA.mq5
    P.271 リスト3.8 BBCross1_EA.mq5
    P.289 リスト3.10 MA2Cross1SL_EA.mq5
    P.299 リスト3.12 MA2Cross1TS_EA.mq5
    P.307 リスト3.14 MA3Cross1_EA.mq5
    P.320 リスト3.16 BBCross1ET_EA.mq5
    P.330 リスト3.18 BBCross1Trend_EA.mq5
    P.338 リスト3.20 BBCross1Time_EA.mq5
    P.345 リスト3.22 RIFD_EA.mq5
    P.352 リスト3.24 BBCross1Limit_EA.mq5
    P.362 リスト3.26 RIFD2_EA.mq5
    P.370 リスト3.28 MultiSystem_EA.mq5


    プログラムの修正ポイント

    1. ヘッダファイルの変更

    ライブラリはmqhという拡張子のヘッダファイルとして作成されています。MT5の場合、「LibEA.mqh」「LibOrder5.mqh」「LibMQL4.mqh」の3つのファイルを使います。これらのファイルをEAと同じフォルダに入れておきます。
    インクルードするヘッダファイルは「LibEA.mqh」のみです。次のように古いヘッダファイルの行はコメントアウトするか、削除して、新しいヘッダファイルに変更します。

    なお、ヘッダファイルをMT5のIncludeフォルダに入れて共通に使う場合、

    とします。

    2. 不要となる行(コメントアウト、あるいは削除)

    以下の行は不要となるので、コメントアウトするか、削除して結構です。

    マジックナンバーについては、EA中に記載しなくても、ライブラリで自動的に宣言されるので、それを変更してもいいです。EAで決まった値にしたければ、次のようにヘッダファイルをインクルードする前に、#defineで定義しておきます。

    Open[], Close[], High[], Low[]などの四本値の配列や、売値、買値のBid, Ask、ポジションの管理もライブラリで自動的に行われます。その代わり、OnTick()関数ではなく、Tick()関数(これもライブラリ中に定義してあります)を呼ぶように変更します。

    3. オーダー関数の変更

    オーダー関数のMyOrderSend()関数は、引数の数と順番が変更になっています。引数は、売買の種類、売買ロット数、売買価格、ポジション番号の順になっているので、次のように変更します。

    SLやTPの指定は、オーダー送信時ではなく、オーダー送信後にMyOrderModify()関数で行うようになりました。SLやTPを指定したい場合は、次のようにMyOrderSend()とMyOrderModify()に分けて記述します。

    各ライブラリ関数の詳しい仕様については、新メタトレ実践本を参照してください。

    以上の修正を施したサンプルプログラムとライブラリファイルは、以下からダウンロードできます。ただし、このサンプルプログラムを実行することにより発生した障害、損失などについて、当方は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。



  • LibEA.mqhの仕様と使用上の注意

    前の記事で、MT4とMT5で同じソースのEAがコンパイル、実行できるというライブラリを紹介しました。

    そのライブラリ、LibEA.mqhというヘッダファイルですが、当然ながら、これをインクルードすれば、どんなEAでもMT4とMT5で動くというものではありません。

    ソースを共通化させるには、そのためのルールが必要です。MQL4の関数をそのまま使ってしまうと、それをMQL5に対応させるのは大変です。独自にライブラリ関数を作るのは、MQL4とMQL5との違いを吸収させるためです。詳しくは、「新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング」(新メタトレ実践本)をご参照ください。

    EAをプログラミングするにあたり、MQL4とMQL5とで、互換性に注意する必要があるのは、大きく以下の二つです。

    • 実際に発注するオーダー系の関数
    • 売買シグナル生成に利用するチャートの4本値とテクニカル指標関数

    オーダー系の関数の共通化


    オーダー系の関数は、MQL4では、ポジションオープンにOrderSend()、ポジションクローズにOrderClose()と別関数を使うのですが、MQL5ではOrderSend()だけしか使いません。

    この違いを吸収するために、MQL4とMQL5とで同じ名前の関数を用意します。例えば、ポジションオープンにMyOrderSend()、ポジションクローズにMyOrderClose()といった具合です。そして、それぞれの関数にMQL4、MQL5用のオーダー関数を書いておきます。

    オーダー系の関数は、MQL4用をLibOrder4.mqh、MQL5用をLibOrder5.mqhとして用意しておき、LibEA.mqhの中で、MQL4用にコンパイルする場合、LibOrder4.mqhをインクルードし、MQL5用にコンパイルする場合、LibOrder5.mqhをインクルードするようにします。

    こんな感じに書いておくと、拡張子がmq4のEAをコンパイルする場合、MQL4用に、拡張子がmq5のEAをコンパイルする場合、MQL5用に勝手にインクルードファイルを変えてくれるわけです。

    このようにオーダー系の関数は、MQL4とMQL5とで1対1に対応させられるので、共通化させるのはそう難しくはありません。

    チャートの4本値の共通化


    MQL4では、チャート上の値である売値、買値、4本値が、Bid, Ask, Open[], Low[], High[], Close[]のような定義済み変数として自動的に格納されています。

    しかし、MQL5では、これらの定義済み変数がありません。そこで、これらの変数をライブラリ中で宣言して、実行中に更新していくというコードを追加する必要があります。

    詳しいことは省略しますが、それをまとめて実行するためにOnTick()関数の最初にUpdatePosition()という関数を実行させるようにしました。つまり、OnTick()中に毎回、UpdatePosition()を書けばいいのですが、EAに共通のコードは極力EAには記述しないで、ライブラリにまとめようというのが、本書の方針なので、OnTick()関数をLibEA.mqh中に入れてしまいました。

    ここで、Tick()という関数を呼び出していますが、これの本体をEAに書いておくようにしました。なお、

    のようにライブラリをインクルードする前に「UseOnTick」を定義しておけば、EA中にOnTick()を書くことができるようになっています。

    テクニカル指標関数の共通化


    最後に問題となるのが、テクニカル指標関数です。テクニカル指標関数の呼び方はMQL4とMQL5とで大きく異なります。

    MQL4では、テクニカル指標の値が必要なところで、

    と関数を直接呼び出せばいいのですが、MQL5では、利用するテクニカル指標を宣言、テクニカル指標の値をバッファにコピー、バッファから必要な指標値を取り出す、と3段階の手順が必要となります。

    このままでは、オーダー系関数のように1対1に対応させることはできません。

    ラトルズから出版した黄色本のライブラリでは、MQL5の標準クラスライブラリが新MQL4でも使えることから、テクニカル指標クラスを使う方法で、MQL4とMQL5を共通化させました。

    しかし、今回の新メタトレ実践本では、MQL4用にはiMA()やiRSI()といった関数を直接使っているので、同じ書式のままMQL5でも使えるようにライブラリの方を工夫しました。

    MQL5でもiMA()とかiRSI()というMQL4と同じ名前の関数はあります。ただし、引数の数や戻り値の型が違うので、MQL4の関数と同じ書式で定義しても区別することができます。

    そこで、MQL4で使える29個のテクニカル指標関数に対して、何段階か必要な手順を、一度の呼び出しで実行できるような関数をLibMQL4.mqhというヘッダファイルに作っておきます。但し、iCustom()と、iMAOnArray()など配列に適用させるテクニカル指標には対応していません。

    あと、使い方で注意する点は、パラメータの異なる同じテクニカル指標の扱いです。

    MQL4では、テクニカル指標関数を呼び出すときにパラメータを指定するので、同じテクニカル指標関数でも、パラメータを自由に変えることができます。

    しかし、MQL5では、パラメータを決めて宣言するので、パラメータを変える度にテクニカル指標を宣言し直さなくてはいけません。ただ、テクニカル指標を作ったり、削除したりを繰り返すと、実行時間が相当遅くなってしまうので、このライブラリでは、パラメータが変わっても前のテクニカル指標は残しておいて、新にテクニカル指標を宣言するという方法にしました。

    同じテクニカル指標で何個の異なるパラメータに対応させるかは、

    の定数で指定します。パラメータの種類が8個よりも多くなる場合には、この値を大きくしてください。

    他にもいろいろありますが、ライブラリの仕様は今後変更になることもありますので、細かい点については省略します。



  • 新メタトレ実践本用のMQL4/MQL5共通ライブラリ(β版)

    皆さん、こんにちは。

    「新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング」(新メタトレ実践本)は、タイトルの通りMT4用の本なのですが、実は、MT5用のライブラリも作っておりまして、ライブラリを差し替えることで、MT5でも動くEAが作れたりするのです。

    MT5がもうちょっと流行れば、またkndle本にまとめたいとは思いますが、とりあえず、新メタトレ実践本の読者の方のために、サンプルプログラムを若干修正することでMT5でも動作するEAのライブラリを公開します。ただし、MT4とMT5でソースプログラムを共通にするにはいくつか制限があり、今後、仕様が変更になる可能性もあるので、β版としておきます。各自の責任でご利用ください。

    では、使い方です。まず、以下のファイルをダウンロードして本書のサンプルプログラムの入っているフォルダに展開してください。

    サンプルプログラムと同じフォルダには、「LibEA4.mqh」というヘッダファイルが入っていると思いますが、ダウンロードしたファイルを、これの代わりに使います。

    「LibEA.mqh」が共通のヘッダファイルで、MQL4の場合、「LibOrder4.mqh」をインクルードし、MQL5の場合、「LibOrder5.mqh」と「LibMQL4.mqh」をインクルードします。

    例えば、次のようなサンプルプログラムがあるとします。

    このままだと、MT4でしか動きませんが、2行目と8行目を次のように修正します。

    つまり、「LibEA4.mqh」を「LibEA.mqh」に変えて、「OnTick()」を「Tick()」に変えるだけです。この修正はすべてのサンプルプログラムに共通です。

    このファイルは、MT4で同じように動きます。そして、このファイルの拡張子を「mq4」から「mq5」に変えるだけで、MT5でコンパイル、実行させることができます。

    ソースプログラムを共通にする仕組みや、制限事項については、別記事で解説します。