市場の特異性

市場の特異性、あるいはアノマリーとしてよく知られたものに週末効果、五十日などがあります。これらは暦に関するものですが、ここでは、ランダムウォークなマーケットを基準として、そこから外れた部分を特異性として考えてみたいと思います。


私はこれまで24時間絶え間なく取引が行われ、非常に流動性の高い外国為替市場が取引に理想的な市場だと考えてきましたが、最近、理想的ということは効率的市場に近い、つまりランダムウォークに近い市場ではないかと思い始めました。
効率的市場ではテクニカル分析やシステムトレーディングで長期的に利益を上げることは理論上できません。これまで為替に対していくつかのトレーディングシステムをバックテストしてきましたが、それほどよい結果が得られなかったことが、為替市場が効率的市場に近いことを物語っているのかもしれません。
他の金融市場、株式や商品先物が為替市場と決定的に違う点は、1日の取引時間が限られていることによる、終値から次の日の始値へのギャップです。この不連続性は、ランダムウォーク市場から見れば明らかに特異な現象です。
このギャップがあるかないかはシステムトレーディングを行う上で大きな違いとなります。最近、日経平均などのインデックス取引に使っているシステムでは、最初のエントリーとしてかなり狭い幅で売りと買いのオーダーを立てます。これはどちらか一方が成立すれば他方をキャンセルするOCAオーダーではなく、1日のうちに両方ヒットすれば売買価格の差だけ損失が出る負けトレードとします。
1日のギャップがほとんどない為替市場でこのシステムを適用すれば、まず毎回両方の売買オーダーがヒットし、損失だけが増えていきます。しかし、1日の始値にギャップがある市場では、逆に両方ヒットする場合の方が少なく、レンジブレイクシステムとしてそれなりに機能します。
従って、1日単位でのギャップというのは、市場における特異性の一つであると考えられるわけです。株式をやっている人からすれば当たり前のことでしょうが、為替をメインにしている身では、ちょっと考えさせられることでもあります。



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