為替マーケットの特性の変化

Currency Trader Magazine 11月号に興味深い記事があったので紹介する。
Currency trends and volatility という記事の中で為替マーケットの特性を Skewness(歪度)とKurtosis(尖度)という統計値で表している。
詳しいことは省略するが、ボラティリティという変化の度合いの分布が正規分布からどうずれているかを表すもので、歪度は正規分布の対称性からのずれを、尖度は正規分布のとんがり具合のずれを表す。どちらも正規分布の場合0になる。
この記事ではUSD/CAD, USD/JPY, GBP/USDの通貨ペアで6ヶ月ボラティリティに対して歪度と尖度の時間的変化をグラフ化している。
いずれも、ある時期から急に歪度と尖度の変動幅が明らかに小さくなっている。それはいつかというと、1999年ユーロの導入時である。
もっとも顕著な例が USD/CAD である。

99年以前ではボラティリティの分布に偏りがあったのが、99年以降では正規分布に近づいているということである。
これは明らかにマーケットの特性が変わったことを意味する。ユーロの導入はそれだけ大きな意味のある出来事だったとも言える。
また通貨ペアによってこれらの特性の変化の仕方も違うので、結局この記事は、それぞれのマーケットには固有の特性があるので、一つのシステムを異なったマーケットに適用するアプローチは失敗に終わる、という結論で締めくくられている。
確かに通貨ペアの違いによる特性の違いは明らかだが、かと言ってカーブフィッティングなしに通貨ペアに特化したシステムが作れるかどうかも疑問である。
それより私が衝撃を覚えたのは、USD/CADのボラティリティの特性が99年を境に劇的に変化しているといっても、それがただチャートを見てもよくわからないということである。
確かにボラティリティ自身が小さくなっているわけではないので、それなりに変動はしている。しかし、この違いがトレーディングシステムに影響を与える可能性は十分にあると思われる。
もし、直接的でないししろ、ボラティリティのずれを利用したシステムであれば、システムのパフォーマンスが99年を境に低下する可能性があるだろう。しかし、その理由はもしかするとわからないかもしれない。
バックテストは長ければ長いほどいいと言われるが、マーケットの特徴が変化しているのであれば、果たして99年より前のテストが必要かどうかも疑問となる。
マーケットの特性の変化がわからない間に起きてしまっているかもしれないと思うと、ますます自分のシステムが信用できなくなってしまった。
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