2008年07月22日
高金利通貨買い+オプション戦略終了
以前の記事で紹介した高金利通貨買い+オプションでヘッジ戦略ですが、結果的に負けトレードにしました。
まずは、買い入れたタイミングが悪かったです。
去年の11月半ばですが、以下のレートで買いポジションを取ってしまいました。
TRY/JPY 93.80円
NZD/JPY 83.90円
ISK/JPY 1.840円
ZAR/JPY 16.60円
高金利通貨買いなので、スワップが目当てだったのですが、ちょっと想定外だったのが、ISK/JPYがマイナススワップに転じたことです。もうしばらく待てば元に戻ると思いましたが、あまり引っ張っても精神的によろしくないので、1.335円なんて思いっきり下がったところで決済。
続いて ZAR/JPY も14.00円で決済。この二つの通貨は完璧に見捨てました。
TRY/JPY はもうちょっと引っ張ってもよかったのですが89.00円の指値が刺さって決済。これはスワップがついてわずかですがプラスでした。
同時に、ドル円のコール売りで多少はヘッジしたので、いくらかプレミアムは得られましたが、焼石に水。
結局、まあまあの結果だったのはNZD/JPY。それほど大きな動きがないので、スワップ分だけプラスになるし、単独でオプションも使えるので、そこそこ利益が出せました。しかし、ISK,ZARの損失が大きいので結局は失敗です。
時期が悪かっただけでなく、ボラティリティをよく調べなかったのも敗因の一つでした。やはり、TRY,ISK,ZARなどの高金利通貨のボラティリティは高いのでした。このあたりはまた別の機会にレポートします。
ただ、助かったことはレバレッジを3倍と低めにしていたことです。全体としては致命的な損失にはなりませんでした。
FX取引歴も5年近くになるので、少しは学習できたってことですかね。
教訓:マイナー通貨は素性をよく調べてからトレードしよう。
(たぶん、もうトレードしないでしょう。やっぱりオプショントレーダーなもので。)
2008年07月09日
FXボラティリティ
久しぶりにEUR/USD,USD/JPY,EUR/JPYの1ヶ月もののボラティリティを載せてみます。
1年前の8%という低水準に比べてこの1年間は大きく動きました。USD/JPYの20%超えが二度、15%超えも入れると四度という荒れようでした。
最近はどの通貨ペアも10%前後に落ち着いてきました。
オプションの売りはボラが高いほど高いプレミアムが得られますが、その分価格の急変は大きなリスクとなります。
EUR/USDのようにボラの急変や価格の急変が少ない通貨ペアが、オプション取引のシステム化には向いていると思います。
今、シストレナビでボラティリティの記事を書いています。かなりスローペースで記事を書いていますので、このブログの記事の意味がよくわからない方は、まずそちらをご覧ください。
2008年06月19日
雑誌に紹介されました
最近オプション取引の記事を書いていませんでしたが、最近発売された \enSPA! '08夏臨時増刊号で紹介されました。
通貨オプションの特集のコーナーです。
取材で色々と話はしたのですが、掲載されたのはターゲットバイイングの話だけです。
ドル円で説明したのですが、なぜか豪ドル円にすり替わっていました。
実際、SAXO系の業者だと、豪ドル円の取引がディーラー経由になるので使い勝手はあまりよくありません。スワップ派なら自動でいけるNZドル円の方がいいかもしれません。
あと、重要なレバレッジの話が抜けているので、初心者の人は気をつけた方がいいですね。オプションの売りはスワップと同じくレバレッジコントロールが命ですから。
2007年12月15日
高金利通貨買い+オプション戦略
久しぶりにFXオプション取引に関する記事を。
SAXO系の業者で最近、アイスランドクローナISK/JPYのトレードができるようになったということで、高金利通貨買いとオプションを合わせた戦略を考えてみた。
まずは、高金利通貨ってどんなものがあるのか調べてみた。
http://www.saxobank.com/?id=824
これでNZDより高金利な通貨を集めてみると、
ISK:13.45%
TRY:15.8%
ZAR:10.5%
などがあった。最近よく聞く高金利通貨だ。
本来ならこのようなマイナー通貨はボラティリティを考えなくてはいけないところだが、金利が10%を超えていることから、ここでは深く考えずにクロス円のスポット買い。
ただ、価格の桁数が違うので購入通貨単位は同じではいけない。最近のレートはざっと、
ISK/JPY=1.7-1.95
NZD/JPY=75-100
TRY/JPY=80-100
ZAR/JPY=15-18
なので、それぞれ100万円程度とすると、購入通貨高はそれぞれ
ISK/JPY:500,000
NZD/JPY: 10,000
TRY/JPY: 10,000
ZAR/JPY: 50,000
くらいにしておく。
ただ、このままでは普通の高金利通貨スワップ狙いトレードでしかないので、ここでヘッジのためオプション取引を使う。
当然、これらのマイナー通貨ではNZD/JPYを除いてオプションには対応していないので、円高時のヘッジのため、USD/JPYのオプションを利用。円高時のヘッジというと、USD/JPYのプット買いが正当法だと思われるが、今回は、50,000ドルのUSD/JPYのATMでのコール売りを実行。
但し、これは完全に円高時のヘッジになっているわけではなく、円高時にプレミアムが取れるという程度でしかない。
しかし、コール売りを繰り返すことで、高金利通貨買いの為替差損を多少でもカバーすることができる。逆に円安になってもUSD/JPYスポットのショートポジをショートコールポジに変えることで、ほとんどゼロコストでこの戦略を続けることができる。要はスワップとプレミアムを確実に取るための戦略なのである。
ここで注意することはやはりレバレッジ。急激な円高に対してはヘッジできないので、マイナー通貨のクロス円という急激な変動に耐えられるようレバは2、3倍程度に抑えておく必要がある。
ちなみに国内でSAXO系のFXオプション取引が可能な業者は下の二つ。
2007年11月03日
オプションシステム3
前回のシステム2に対して、枚数を変化させたシステムをテストしてみました。これをシステム3とします。
システム3
決済したときにプレミアムとの差額で損失が出た場合に、次のオプションはATMではなく80デルタのITMとし、損失をカバーするために1週間単位で最大6ヶ月まで満期を延ばす。但し、3ヶ月以上延ばす場合は枚数を2倍とする。
IVを7%, 8%, 9%, 10%, 11%と変えたときの資産曲線です。
これも、もともと利益の出ていた11%、10%では枚数の効果を出すほど満期を延ばす必要がないので、違いはありません。7%、8%の場合、7%の方が効果が出たため、7%と8%の差が小さくなりました。しかし、リスクが大きくなる割にはあまりリターンは大きくなりません。
枚数を増やすことはその場しのぎにしかならないので、あまり効果的ではないということでしょう。
結局、適切な損切りが必要で、枚数を増やすのはレバレッジに余裕ができたとき、つまり、勝っている局面に限るということです。当たり前の結果が出たというわけです。
ATM売りのオプションシステムの検証もここまでにしておきます。実際のボラがわからないと正確なバックテストができないことには変わりありませんので。
2007年10月30日
オプションシステム2
前回のシステム1では、ATMのプットとコールを売り続けるだけなので、当然、IVに比べて実際の変動が少ない場合しかうまくいくはずはありません。今回はシステム1に以下の条件を加えてシステム2としてみました。
システム2
決済したときにプレミアムとの差額で損失が出た場合に、次のオプションはATMではなく80デルタのITMとし、損失をカバーするために1週間単位で最大6ヶ月まで満期を延ばす。
IVを7%, 8%, 9%, 10%, 11%と変えたときの資産曲線です。
もともと利益の出ていた11%、10%ではそれほど違いはないですが、完全にマイナスだった7%、8%の場合、プラスに転じさせるほどの威力はないものの、損失は半分くらいに減らすことができました。
まあこのシステムでは、勝ってる場合には関係ありませんが、負けた場合にその損失を先送りして取引回数を減らすので、このような結果になったのだと思います。
しかし、これもボラティリティに大きく影響を受けるので、実際にどうなのか何とも言えません。
相場のトレンドなどに合わせて取引価格などを変える方がいいのかもしれませんが、ここを調整してしまうとカーブフィッティングになりかねないので、あまりやりたくないところです。
同一枚数の取引ではこれが限界かもしれません。最後の手は枚数を変えることです。
2007年10月28日
オプションシステムトレード第2弾
前回の通貨オプションを使ったシステムトレードでは、1ヶ月満期のオプションを1年間ちょっとだけしかテストしなかったので、取引回数が少ないという問題がありました。
今回は、SAXO系の通貨オプション専用ですが、1週間満期のオプションを繰り返すシステムのテストを行ってみました。期間も金利データが揃っている2001年から7年間分、トータルで350回ほどの取引回数を確保しました。但し、1週間もののIVのデータがないので、何パターンか固定してやってみました。
通貨ペア:EUR/USD
期間:2001年1月~2007年10月
取引日:毎週金曜日
オプションの満期:1週間
IV:7%, 8%, 9%, 10%, 11%
システム1
ATMでプットとコールを売る
満期で権利行使されたら決済
今回はシステム1のみの結果です。
横軸は取引回数で、縦軸は1ユーロ当たりの累積損益(ドル)です。
システム1はほとんどランダムなトレードなので、前回のテスト同様利益が出ることは期待していなかったのですが、結果を見るとやはりIVにかなり影響を受けることがわかりました。
あと、過去1年間のパフォーマンスが高いことがわかりますが、これは、IVを固定してテストしているので、最近1年間のIVが実際にはかなり低めに推移しているためだと思われます。
いずれにしろ、正確なIVがわからなければ正確なバックテストはできないということになります。
なので、このシステムを改良するとしても、明らかに低いIVでも利益が出るようなシステムにならないと使えないことになります。
2007年10月08日
通貨オプションでシステムトレード
前から試してみたかった通貨オプションでのシステムトレードをバックテストしてみました。
オプションはボラティリティに大きく影響されるので、完全にシステム化するのは難しいのですが、IVや金利のデータも1年を超えるだけたまったので、プレミアムの理論値を元に簡単なテストをしてみました。
通貨ペア:EUR/USD
期間:2006年9月~2007年10月
取引日:毎月1日
オプションの満期:1ヶ月
システム1
ATMでプットとコールを売る
満期で権利行使されたら決済
まずは非常にシンプルなシステムです。オプションの時間価値はATMで一番大きいのでそれだけを狙うシステムです。相場が動かなければ必ず勝てるはずですが、実際の資金曲線はこのようになりました。
やはり1年を通して相場が動かないはずもないので、かろうじて93pipsとプラスで終わっていますが、プロフィットファクター1.11、最大ドローダウン362pips とあまりよろしくありません。
システム2
システム1に対して、決済時の為替差損が200pipsを超える場合、ATMではなく、80デルタあたりのITMのオプションを売る
これはプレミアムを大きく取ることでその月のドローダウンを小さくするルールを追加したものです。実際にこのルールは14回の取引のうち5回に適用され、その結果資金曲線は大幅に改善されました。
純損益556pips、プロフィットファクター2.18、最大ドローダウン224pips とシステムトレードとしてまずまずの結果となりました。
システム3
システム2に対して、決済時の為替差損が500pipsを超える場合、売買ロット数を1.5倍にする
システム2でも月に500pips以上動く場合は損失が目立ってしまうので、ロット数を増やしてプレミアムを大きく取ります。1.5倍というのは適当ですが、これが2月続いても2.25倍なので、なんとかなるかといったところです。実際には過去1年間で2回ほどこのルールが適用されました。結果は以下のようになりました。
さらにドローダウンが小さくなり、純損益826ips、プロフィットファクター9.39、最大ドローダウン47pips と、システムトレードだったら間違いなくカーブフィッティングという結果となりました。
これを単なるカーブフィッティングと見るか、オプションの優位性と見るかは皆さんの自由です。
2007年09月03日
カバードコールの代わりの戦略
これまでは、プット売りが権利行使されてスポットのロングポジションが建ったら、コール売りを建てる、いわゆるカバードコールの戦略を取ってきました。ドル円、ユーロ円などでは、ロングポジでスワップがつくので、利食いレベルにカバードコールを建てるのは、ローリスクでスワップ+プレミアムが得られる定番の戦略です。
ところが、ユーロドルのようにスワップがあまりつかない上に、スポット(この場合ショートですが)ポジがかなり下で利食いレベルがほど遠い場合、カバード戦略(この場合カバードプット)もあまり効果がありません。
そこで、今回、ユーロドルのカバードプットが満期になるので、別の戦略にしてみました。具体的なポジションでその手法を説明します。
今、1.3616 でユーロドルのショートポジションがあります。現在のスポットレートは1.3641です。これだけのポジであればカバードプットでもいいのですが、実はもっと下にショートポジションがいくつかあります。近い将来ユーロドルが大幅に下落する見込みもありません。
なので、スポットのショートポジションはしばらく保持するという前提で、スポットの売値を上げるという考えでオプションを建ててみました。具体的にはスポットポジションを決済して、1ヶ月満期で1.3650ストライクのコールを売り建てました。プレミアムは97pipsでした。
これで、利益は97-25=72pips となります。この戦略はカバードプットで得られる為替差益を放棄する代わりに限られた利益を得るものですが、従来のカバードプットで権利行使されない場合、スワップ+カバードプットの利益よりは大きいものになります。またレートが上がったとしても、スポットポジションの売値を上げることができます。
カバードコール(プット)であまり利益が見込めない場合は、スポットを決済して再びプット(コール)売りを仕掛けるのもありかなと思いました。
2007年06月24日
オプションのリスク管理
よくオプションの売りはリスク無限大と言いますが、実際には最大でもスポットポジションと同じです。言い換えれば、オプションのリスクはスポットより常に低いわけです。
ただ、ここに落とし穴があり、リスクが低いと、どうしても欲が出てポジションを重ねがちになります。過去に失敗したのは、オプションの戦略として失敗したのではなく、リスク管理に失敗したのです。
投資効率をできるだけ上げようとすると、現在のリスクの許容範囲ぎりぎりでできるだけ多くの枚数を売買する必要があります。価格の変動に伴ってリスクも変化しないということであれば、最適な売買枚数を算出することができるでしょうが、オプションの場合、リスクの変化が非常に激しいのが特徴です。
以前、オプションでVaRなど最適な投資額を出そうとしたこともありましたが、結局は急激な変化にポジションの調整が追いつかないということがわかりました。リスク管理とはやはり、常に最悪のシナリオを想定しなくてはならないということなので、オプションでの最悪のケース、リスクがスポットと同じになるという状態で考えないといけないという結論に達しました。
現在、ターゲットレバレッジを算出して、それを目安に投資額を決めていますが、このターゲットレバレッジは、99%VaRから出しています。それぞれのポジションを単独の通貨単位に分解して、それぞれがすべて1%の確率で損失の出る方向に動く場合まで許容しています。
またこのターゲットレバレッジも相場のボラティリティにより変化します。最近はボラが5%~7%と低い状態が続いているのですが、やはりここも最悪のケースを考慮すると、10%程度でも耐えられるようにする必要があります。
このように何重にもリスクをコントロールすると、投資効率としては必ずしも最適にはなりませんが、その分、破産確率をかなり下げることができます。資産が少ないうちはある程度リスクの高い運用も必要でしょうが、資産が増えるに従って、リスクを下げる必要があります。リスクを下げても十分な利益が出る状態、これが最終的な勝者の運用なのだと思います。
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